Prince Takamado Visiting Student Scholarship

Message from Past Students - 第4回留学生 (Y. U.)

クイーンズ大学より

拝啓

皆様ご機嫌麗しく、新春をお迎えのことと存じます。留学期間も半分を終え、本当の意味で私もクイーンズ大学の生活に慣れてきたところでしょうか。これまでの経過を簡潔に記させていただきます。

カナダに渡ってきた当初は早く友人を作って生活を確立させねばとあせっていましたが、やはりスポーツが大きな助けとなってくれました。バドミントンクラブへ入ったのに始まり、体育館でコートを借りてスカッシュに興じ、友人の初心者バレーボールリーグチームに参加し、落選したもののテニスの大学代表選抜試合を受けて、とあちこちに手を出してみました。スポーツは国境を越えるとは良く言ったもので、確かにたとえば普段の会話では冗談のポイント等でしばしば齟齬をきたす、文化背景の異なる相手でも、スポーツの明確なルールと「勝つ」というシンプルな目標によって、あたかも簡単に仲が良くなったかのようにふるまえることが多々ありました。

その友人はやはり留学生が中心ですが、せっかくカナダに来ていることだし、そのような生活だけでもいかがなものかと思い、先学期模擬国連というディベートのイベントにカナダ人に混じって参加してまいりました。11月中旬の週末、40人ほどで3日間にわたって河川の水質改善や初等教育の普及といった問題に、必死に口をはさみつつ挑んでみました。カナダ人の論理的思考や事前のリサーチの深さにも学ぶべきところはありましたが、何よりもやはりネイティブとの英語力の差に愕然とさせられました。何がディスカッションのトピックに挙がっているかは理解できるものの、それに関する意見を頭の中でまとめ、正式な英語の文章に仕上げたときには既に議論は大幅に進行しているといった有様で、授業や日常会話だけでは見えてこない自分の至らなさに気づかされたという点で非常に濃い3日間となりました。

上記のようにとりあえず様々なことに頭を突っ込んでみた先学期でしたが、今学期は多様な国籍の友人作りやカナダ生活への順応といった目標もさることながら、英文速読力の向上やよりレベルの高い経済学の習得といった学業面に更に重点を置きたいと考えています。実は先学期の授業では恐れていたほど理解できなかったわけでもなく、必須の課題も提出して、と割と淡々とこなすことができました。しかしながら先日出た成績は必ずしも満足できるものではなかったし、省みるに挑戦的な姿勢に欠けていました。より高度な授業の履修登録をちょうど今日済ませたので、留学生活の後半は授業の課題資料を徹底的に読み込み、自主的な勉学にも励もうという覚悟です。

末筆ながら素晴らしい機会を与えていただいたことに改めて御礼申し上げ、ご報告とさせていただきます。寒い日が続きますが、くれぐれもご自愛ください。

敬具

平成20年1月11日